11月は「過労死等防止啓発月間」として、過労死等を防ぐための取り組みが全国各地で実施されました。
今回は、「過労死等防止啓発月間」に焦点を当て、従業員の健康や会社がするべき取組みについて考えてみたいと思います。
過労死とは?
過労死とは、業務による過重な負荷が原因で発生する健康障害や死亡事例を指します。以下のようなケースが含まれます。
- 脳・心臓疾患による死亡:長時間労働や過度なストレスが原因で、脳血管疾患や心臓疾患を発症し、死亡に至る場合。
- 精神障害による自殺:業務上の強い心理的負荷により、精神障害を発症し、自殺に至る場合。
これらは本人だけでなく、家族や会社にも多大な影響を及ぼします。
過労死等防止対策推進法について
平成26年11月に施行された「過労死等防止対策推進法」は、過労死等を防止するための法律です。この法律に基づき、政府は「過労死等の防止のための対策に関する大綱」を策定し、各種取り組みを進めています。
それをもとに、「過労死等防止啓発月間」中には、次のような活動が行われました。
- シンポジウムの開催:専門家や遺族の方々が過労死等の防止に向けた講演を行いました。
- 過重労働解消キャンペーン:長時間労働の是正や賃金不払残業の解消に向けた監督指導やセミナーが実施されました。
- 相談窓口の設置:「過重労働解消相談ダイヤル」を開設し、労働に関する相談を専門家が受け付けました。
私たちができること
過労死を防ぐには、国や政府だけでなく、経営者の皆様が意識を変えていくことが大切です。
- 労働時間の適正化:長時間労働を見直し、適切な休息を確保できるようにする。
- 職場環境の改善:ハラスメントの防止やコミュニケーションの促進を図る。
- 健康管理の徹底:定期的な健康診断やメンタルヘルスケアの研修会などを実施する。
まとめ
従業員の過労死は、決して他人事ではありません。私たち一人ひとりが、従業員の健康に気を配ることが大切です。この「過労死等防止啓発月間」をきっかけに、ぜひ職場やご家庭で、働き方について話し合ってみてはいかがでしょうか。
最後に、過労死等防止の取り組みは、従業員の命と健康を守るだけでなく、職場全体の生産性向上にもつながります。従業員の方が安心して働ける環境づくりの一助となれば幸いです。