今回は、日本の年金制度における重要な柱である「公的年金」と「個人年金保険」についてご説明いたします。これらの年金制度の特徴や違いを理解することで、将来の年金計画に役立てていただければ幸いです。
公的年金
公的年金とは、国民年金や厚生年金などの日本の社会保険制度の一つで、国が運営する年金制度です。
国民年金は自営業者や学生、無職の方、20歳以上60歳未満の農業者などが加入し、全額自己負担で保険料を納めます。
厚生年金は企業に勤める従業員や公務員が対象となり、保険料は雇用主と従業員が折半して支払います。
公的年金の特徴は、すべての国民に加入の義務があることです。また、メリットは、なんといっても安定性です。公的年金の加入者は、一定の条件を満たせば、年金支給開始時から 亡くなるまで終身の年金を 受給することができます。
さらに、厚生年金は健康保険や雇用保険などと一体となって 提供されているため、総合的な社会保障制度として機能しています。また、自身が障害を負った場合に受給できる「障害年金」や、幼い子どもを残して亡くなってしまった場合に配偶者と子どもに支払われる「遺族年金」など、人生の様々なリスクに対応しています。
個人年金保険
一方で個人年金保険は、自主的に加入する民間の保険商品です。加入義務はないので、公的年金を補完するものとして、私的に申込みをする任意保険です。保険期間や受給できる年金額などは、それぞれの保険により異なります。
個人年金のメリットは、自身のライフスタイルや将来の計画に合わせて、自己責任で積立を行い、給付期間を自ら選ぶことができます。(終身受給にするか否かも選択可能です)特に、厚生年金だけでは将来の生活資金が不安な方や、自分で年金計画を立てたい方に選ばれる ことが多いです。ただ、デメリットとしては、以下の3点が挙げられます。
- 途中で解約すると、払い戻し金が払い込んだ保険料を下回る可能性がある
- インフレのリスクがある定額個人年金保険の場合、インフレが起きたときに資産の価値が目減りしてしまうリスクがあります。
※インフレとは、物やサービスの値段が上がる現象です。
このリスクは、公的年金であれば比較的回避することができます。
公的年金には物価スライドという仕組みがあり、ある程度老後の物価に合わせて受給額が決定するからです。 - 選んだ個人年金の種類によっては、遺族に年金が支払われない保険の種類にもよりますが、年金受取開始後に被保険者が亡くなった場合、遺族に年金が支払われないケースもあります。
個人年金保険には加入した方がよい?
個人年金保険に加入した方がよいかは、個々のライフスタイルや将来の計画によって異なります。公的な制度で安定した 年金を受給したい方は 公的年金のみに加入し、一方で、より柔軟な年金プランや高い給付額を希望する方は、個人年金にも加入するとよいでしょう。
まとめ
今回は、「公的年金」と「個人年金保険」について、それぞれのメリットや違いを ご紹介しました。大切なのは、ご自身のライフプランに合わせて、じっくりと年金プランを 考えることです。それぞれの制度の特徴や違いを理解し、自分に合ったプランを選ぶ参考にしていただければと思います。