今回は「キャリアアップ助成金(社会保険適用時処遇改善コース)」の計画届受理状況が公表されましたので、その概要と具体的な活用事例を分かりやすくご説明いたします。
3,749社が計画届を提出
厚生労働省は、「年収の壁・支援強化パッケージ」キャリアアップ助成金の計画届受理状況(令和6年1月末時点)の取りまとめを公表しました。
キャリアアップ助成金(社会保険適用時処遇改善コース)は、パートタイマーやアルバイトの収入が一定額を超えた場合に社会保険料の負担が発生してしまうため、いわゆる「年収の壁」を意識せずに働くことができるように整備したときに助成されるもので、昨年10月20日に計画届の受付を開始しました。
1月末までに本助成金の計画届を提出した企業件数は3,749件でした。企業規模別では、100人以下の企業が2,788件、101人~500人の企業が597件、501人以上の企業が364件でした。また、本助成金に取り組む予定の労働者数は144,714人でした。メニュー別では、手当等支給メニューが48,976人、労働時間延長メニューが72,633人、併用メニューが23,105人の労働者を予定しています。
具体的な活用事例
この取りまとめでは、以下の企業における実際の活用事例が取り上げられています。
1.パート従業員との丁寧な対話を重ね、各従業員のニーズに応じ、社会保険適用時処遇改善コースの複数のメニューを活用
2.新たに社会保険に加入するパート従業員に対し、社会保険適用時処遇改善コースを活用して社会保険適用促進手当を支給するとともに、既に社会保険に加入している一定の収入以下の従業員に対しても、企業独自で同手当を支給
このような取り組みは、従業員の福利厚生を向上させるだけでなく、企業の人材定着にも寄与しています。
まとめ
キャリアアップ助成金(社会保険適用時処遇改善コース)は、令和7年度末までに新たに被用者保険を適用した従業員を対象とする措置となっています。活用を検討する際に参考にしてみてはいかかでしょうか。