今回は、子育て世代の労働環境改善に向けた最新の取り組みについて、ご紹介いたします。
1.男性の育休取得率向上を目指して
日本政府は、2週間以上の男性の育児休業取得率を2030年までに85%に引き上げる目標を掲げています。これを実現するために、より充実した支援策が整ってきています。
・次世代育成支援対策推進法を改正し、一般事業主に数値目標の設定やPDCAサイクルの確立を定め、育休取得から円滑な職場復帰までの支援、勤務時間や勤務地への配慮等を盛り込ませる。
・育児/介護休業法における育休取得率の開示義務について、常時雇用する労働者数が300人超の事業主に拡充し、有価証券報告書における開示を進める。
・産後8週間以内に両親が14日以上の育休を取得した場合の給付率を手取り10割相当に。
・「くるみん認定」の取得など、育児休業の取得状況等に応じた実施インセンティブの強化。
2.育児期における柔軟な働き方の推進
育児と仕事の両立を支援する多角的な施策が展開されています。
・フレックスタイム制の義務化、テレワークの努力義務化
・「親と子のための選べる働き方制度(仮称)」を創設…こどもが3歳以降小学校就学前まで、フレックスタイム制を含む出社・退社時刻の調整、テレワーク、短時間勤務制度、保育施設の設置運営等、休暇から、事業主が複数の制度を選択して措置し、その中から労働者が選択できる制度。
・「育児時短就業給付(仮称)」を創設…こどもが2歳未満の期間に時短勤務を選択した場合、賃金の10%を支給。体制整備を行う中小企業に助成措置を実施。
・所定外労働の制限…こどもが小学校就学前までに引上げ。
・子の看護休暇…こどもが小学校3年生修了時までに引上げ。休暇取得事由の見直し。
3.多様な働き方と子育ての両立支援
労働市場における柔軟性の向上と子育て支援を目指し、週所定労働時間10時間以上20時間未満の従業員も失業給付や育児休業給付等の受給対象となります。また、国民年金の第1号被保険者を対象に育児期間に係る保険料免除措置を創設されることで、経済的負担の軽減が期待されます。
まとめ
これらの改革は、働き方と子育て支援の充実を目指すもので、従業員だけでなく、企業にとっても大きなメリットがあります。今後もこのような政府の取り組みに注目し、皆様の職場でも働きやすい環境を整えていきましょう。