技術者の獲得競争が激しさを増しています。
今回は約7年ぶりに大幅なベースアップ(ベア)を行った半導体製造装置メーカー「ディスコ」の事例を紹介します。
ベアの理由
ディスコは7月に正社員や契約社員などを対象に、基本給を一律2万円引き上げるベアを実施しました。
労働意欲を高めるとともに、優秀な人材の採用に結びつける狙いがあるといいます。
半導体業界はベアが難しい
ディスコはこれまでも電機連合と同等のベアは実施してきたといいます。
しかし、半導体業界は好不況の変動が激しい業界で、
固定費を上げるべきではないと大きなベアは行ってきませんでした。
半導体業界では業績連動の賞与で社員に還元する企業が多く、ディスコも同様でした。
今回、賞与原資のうち固定部分の一部を基本給に振り分けること形を採用したといいます。
待遇の良さで学生にアピール
ここまでしてディスコがベアを行ったのは、人材獲得に力を入れる必要があるとの危機感からです。
初任給を上げてリクルーティングを有利にしようと考える企業が増えており、
ディスコも何らかの施策が必要だと考えたといいます。
学生にとって多数のBtoBテック系企業をすべて調べることは難しいでしょう。
そこで、初任給が高額であれば学生の目にとまりやすくなります。
技術者の人材獲得競争は今後もさらに激しさが増していくかもしれません。