かつては、男性は全国転勤が前提で、地域限定の働き方は女性が選ぶことが一般的でした。
しかし近年は、地域限定の働き方を求める男性が増えてきています。
共働きが当たり前となり、ワークライフバランスを重視する人が増えたことが背景にあります。
また、リモートワークが普及し、転勤制度への疑問を持つ人が増えたとも言われています。
実際、マイナビが2023年卒業予定の就活生へ働き方の希望を調査したところ、転居が伴う転勤を希望しない人の割合は52.4%でした。
このように不人気になっている転勤制度ですが、対策を講じることで人材確保につながります。
例えば、AIG損害保険では社員の意に沿わない転勤を原則廃止したところ、同社への新卒の応募が以前の10倍に増えています。
また、東京海上日動火災保険では、以前は地域を限定する働き方を選ぶ社員のほとんどが女性でしたが、
今春に入社した352人のうち53人が男性だったと言います。
転勤制度を完全に撤廃するのは業務上難しい企業が多いでしょう。
しかし、離職防止や、優秀な社員を確保するためには、柔軟な働き方の導入がかかせないと言えそうです。