労働統計と現状の概観
東京労働局が公表した令和7年度の過労死等の労災補償状況によると、脳・心臓疾患の労災請求は234件となり、前年度から76件、48.1%増加しました。精神障害の労災請求は1,121件で、前年度から358件、46.9%の増加です。精神障害の支給決定件数も150件となり、前年度を上回りました。
業界・職種・年齢別の実態
業種別に見ると、精神障害の請求件数は医療・福祉が192件、情報通信業が157件、卸売業・小売業が135件となっています。
職種別では、事務従事者が381件、専門的・技術的職業従事者が323件と多く、現場作業だけでなく、事務職や専門職でもメンタルヘルス対策が重要です。
また、精神障害の支給決定件数は40歳代が45件で最も多い一方、29歳以下でも29件、30歳代でも37件となっており、若年層を含む広い年齢でリスクが生じています。
事業主が取り組むべき対策
事業主が取り組むべきことは、残業時間の管理だけではありません。業務量の偏り、上司の指導方法、ハラスメント、顧客対応、人間関係など、心理的負荷の原因を早期に把握する必要があります。
特に、月80時間を超える時間外・休日労働が疑われる事業場や、過労死等の労災請求が行われた事業場は、監督指導の対象となります。
おわりに
勤怠管理、医師による面接指導、相談窓口、ストレスチェック、管理職研修を一体的に見直し、労災が発生してから対応するのではなく、発生させない職場構築を進めましょう。