変化する社会や雇用環境の中で、労働者一人ひとりが自律的にキャリアを築くことが求められています。同時に、企業が従業員のキャリア形成や能力開発を支援することは、採用強化・定着促進・離職防止の観点からも重要です。しかし、厚生労働省の「能力開発基本調査」(昨年6月公表)では、以下の通り多くの企業が課題を抱えていることが明らかになりました。
- 「キャリアコンサルティングの導入企業」41.6%(前回より3.6ポイント減少)
- 「能力開発や人材育成に問題を抱える企業」79.8%
「グッドキャリア企業アワード」とは?
厚生労働省は、従業員のキャリア形成を支援する企業を表彰する「グッドキャリア企業アワード」を実施しています。これは優れた取組を広く紹介し、キャリア形成支援の普及を目的とするものです。今年度は、以下のような数の企業が選ばれ、昨年11月に発表されました。
- 大賞(厚生労働大臣表彰):5社
- イノベーション賞(厚生労働省人材開発統括官表彰):10社
受賞企業の取組事例
「グッドキャリア企業アワード」のウェブサイトでは、受賞企業の具体的な取組が紹介されており、以下のような事例が多数掲載されています。業種や規模を問わずに参考になるでしょう。
- 経営層との議論の場づくり、マネジメント研修の実施
- 多様な研修受講機会の提供
- 退職理由の分析と活用
- キャリアコンサルタントの活用
- 1on1面談の実施
- 能力評価の実施
- 資格取得支援制度の導入
まとめ
企業にとって、従業員のキャリア形成支援は、単なる福利厚生ではなく、採用・定着・生産性向上の重要な施策です。「グッドキャリア企業アワード」の受賞事例を参考に、自社のキャリア支援の仕組みを見直してみてはいかがでしょうか。