職業安定法では、インターネットやSNS(X等)を含む広告で従業員を募集する際、虚偽や誤解を生じさせる表示をしてはならないと規定されています。近年、いわゆる「闇バイト」のような犯罪実行者の募集がインターネット上で行われる事案が増加し、通常の求人広告と見分けがつかないものも見られます。そのため、厚生労働省はSNS等で直接従業員を募集する際に、以下の6つの情報を必ず表示するよう求めています。
- 募集主の氏名(または名称)
- 住所(所在地)
- 連絡先(電話番号等)
- 業務内容
- 就業場所
- 賃金
募集事項に関する補足
- 「住所(所在地)」の記載範囲:求人広告における住所の記載については、ビル名・階数・部屋番号まで含める必要があります。
- 「連絡先」として必要な情報:電話番号、メールアドレス、自社ウェブサイトの専用問い合わせフォームのリンク(会社ウェブサイトのリンクのみでの対応は不可)のいずれかを記載することが求められます。単に会社のウェブサイトにある募集要項等のリンクを掲載するだけでは、求人であるかどうかが不明瞭になり、誤解を招く可能性があるため上記6情報を記載する必要があります。
業務内容・就業場所・賃金の詳細記載について
職業安定法第5条の3や労働基準法第15条で求められる詳細記載と同じにする必要はありません。しかし、求職者に誤解を与えないよう、業務内容・就業場所・賃金については適切に記載する必要があります。例えば、就業場所については、「雇入れ直後の就業場所」のみを記載する方法や、複数の候補地を示し「応相談」とする方法も許容されます。賃金については、「時給1,500円~」のように幅を持たせた表記であっても、直ちに職業安定法違反とはなりません。
まとめ
SNS等で労働者を募集する際には、求職者が誤解しないよう明確な情報提供が求められます。特に、募集主の氏名や住所、連絡先、業務内容、就業場所、賃金といった基本情報を記載することが重要です。また、情報を明確にすることで、求職者にとっても安心できる求人環境を作ることができます。適切な情報提供を行い、トラブルの発生を防ぎましょう。