従業員にとって、就業規則と労働契約は、働き方のルールを定める重要なものです。
しかし、その関係性はやや複雑で、理解しにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、労働契約法12条に基づき、就業規則と労働契約の効力について、わかりやすく解説します。
就業規則と労働契約:それぞれの役割
就業規則は、10人以上の従業員を使用する企業が、従業員の労働条件や遵守すべき規律を定めたものです。
労働基準法第89条に基づき、作成・公示・遵守が義務付けられています。
一方、労働契約は、企業と従業員個人が締結する契約であり、具体的な労働内容を定めたものです。
労働契約法12条:就業規則との整合性
労働契約法12条では、労働契約の内容が就業規則で定める基準を下回る場合、その部分は無効とされます。
無効となった部分は、就業規則で定める基準が適用されます。
つまり、就業規則は、労働条件の最低基準を定めたものであり、労働契約はその基準を下回ることができないということです。
例外事項: 就業規則よりも有利な労働条件
上記の通り、労働契約の内容は、就業規則で定める基準を下回ることができません。
しかし、以下の例外事項においては、就業規則よりも有利な労働条件を合意することができます。
・就業規則の内容と異なる労働条件を合意していた場合
・就業規則の変更によっては変更されない労働条件を合意していた場合
例えば、残業代や休暇に関する条件について、就業規則よりも有利な条件で合意することが可能です。
まとめ
就業規則と労働契約は、労働条件に関する重要なルールです。
それぞれの役割と関係性を理解しておくことは、企業運営をされる皆様にとっても重要になるでしょう。