デザイナーなど専門的な業務に適用できる「裁量労働制」。対象となる業務が広がりをみせています。
今回は、裁量労働制における労働時間の仕組みについて解説します。
みなし労働時間
裁量労働制の特徴は、実際の労働時間ではなく契約で定める「みなし労働時間」で捉えることです。
たとえば、みなし労働時間を8時間で契約する場合、
実際に働いた時間が5時間や10時間であったとしても8時間分の報酬を支払います。
残業代の考え方
裁量労働制においては、原則として残業という概念はなくなります。
しかし、みなし労働時間で設定した時間が法定労働時間(8時間)を超える分に対しては、割増賃金の支払いが必要です。
たとえば、みなし労働時間を9時間で契約すると、1時間分を割増賃金で支払うことになります。
休日出勤
裁量労働制も休日を定める必要があります。休日に出勤した場合には、休日手当が必要です。
深夜労働
休日出勤と同様に22時から5時の深夜労働についても、割増賃金を支払う必要があります。
36協定
みなし労働時間が法定労働時間(8時間)を超える場合には、労働者と36協定を結ぶ必要があります。
また、みなし労働時間の設定は、36協定の上限時間を超えてはいけません。
残業の上限時間は、月間45時間、年間360時間までと定められています。