2023年4月から雇用保険料率が引き上げられることが、厚生労働省より発表されました。
2023年2月時点での、雇用保険料率は1.35%です。
これが2023年4月からは、1.55%と0.2%上がることになります。
今回は、雇用保険料率の引き上げが決定した背景について解説します。
理由1. 雇用調整助成金の増加
コロナ禍の雇用下支え策で莫大な資金を要したことが、雇用保険料を引き上げる最大の理由だといえます。
なかでも、従業員の休業時などに支給する雇用調整助成金(雇調金)は、コロナ禍で支給要件を大幅に緩和しました。
2022年12月までの雇調金支給決定額は、6兆2000億円を超えています。
雇用調整助成金の財源は、労働者と事業主が負担する雇用保険料が基本となっています。
そのため財源を強化するには、雇用保険料率の引き上げが必要だ、ということです。
理由2. 失業手当の増加
コロナ禍での失業者の増加も雇用保険料を引き上げる原因となっています。
失業者が受け取る失業保険は、雇用保険が財源です。
失業給付等が増加したことにより、雇用保険料率の増加につながったと言われています。