今回は高騰するIT人材の市場価格について解説します。
エン・ジャパンの調査によると、業種別の中途採用の募集時年収には、IT系職種と他の職種に大きな開きがあったといいます。
エンジニアなどのIT系職種と、他の全職種との中途採用募集時の年収差が、特に大きい業界をまとめると以下のとおりです。
- 流通・小売:194万円
- 金融・保険:170万円
- コンサルティング:169万円
- 運輸・交通・物流・倉庫:103万円
- 商社:85万円
これらの業界(特に流通・小売業界)では、IT系人材の獲得が急務になっていると言えるでしょう。
DXの緊急性が高い業界ほど高給を支払う傾向があり、今後もこの流れは続きそうです。
各社の事例紹介
イオングループでは、IT人材の獲得のために最大2,000万円近い年収を提示しています。
子会社のイオンスマートテクノロジーでは、アプリ開発などのマネージャー職を年収1,100万~1,960万円で募集しています。
IT人材の獲得のために柔軟な制度を導入しやすい新会社を設立する例も目立ちます。
ニトリホールディングスは4月に子会社を設立し、年収1,300万円も可能な賃金体系を整えています。
ビッグカメラも2022年に子会社を設立し、5年以内に200人程度を採用する予定だといいます。
日本企業は人事や給与体系に年功序列など旧来型の仕組みが残る企業が多く見られます。
今後もIT人材獲得や柔軟な給与体系を実現するために、新たに会社を作るケースが増えそうです。