厚生労働省が2019年に行った「国民生活基礎調査」を基にすると、
働きながらがん治療している就業者は44.8万人に上ります。
2010年と比較して12.3万人も増えています。
従業員ががんになると、雇用主や上司だけでなく当事者の多くも「発病したからもう働けない」と考えます。
告知時点で「今まで通り働ける」と考える人は36%にとどまります。
しかし、実際には手術などを経て57%が今まで通りに働き、27%は役割や勤務時間、勤務場所を変更して働き続けています。
企業にもとめられる姿勢は?
大切なのは、仕事を続けたいのか辞めたいのか、どんな働き方を望むのか、という本人の意思を聞くことです。
「治療に専念するためには退職するほうがよいだろう」という考えは、本人の選択肢を狭くしてしまいます。
職場としてどこまでサポートできるのか、対応できないことはなにかを考え治療と仕事の両立の方法をすり合わせましょう。
また、厚生労働省では「両立支援ガイドライン」や両立支援のポータルサイトが用意されています。
このサイトとガイドラインを基に両立支援の環境を整えていくと良いでしょう。
今後も働きながらがん治療をする人は増えていくと考えられます。
治療と仕事の両立は今後の重要な経営課題となると言えそうです。