東京商工リサーチによると、2021年に新しく設立された法人は14万4622件と2年ぶりに増加に転じました。
コロナ禍を経た現在の起業熱には、以前とは異なる特徴が見られるといいます。
その一つが自社の利益と社会貢献の両面を高めるスタートアップ「ゼブラ企業」を目指す起業を評価する声の高まりです。
ゼブラ企業とは?
ゼブラ企業とは、サステナブル(持続可能)な範囲での成長を重視し、社会との共存に価値を置く企業を指します。
企業利益と社会貢献の相反する目的を企業の理念とするあり方が、シマウマの白黒模様が縦に並ぶ様子に例えられて「ゼブラ企業」と呼称されています。
社会的意義や持続可能性などを重視し、他社や社会との共存を大切にするゼブラ企業の経営姿勢が多くの投資家から指示されています。
ゼブラ企業が注目される背景
ゼブラ企業が注目されるようになったのは、「ユニコーン企業」への危機感からです。
ユニコーン企業とは時価総額10億ドル以上の未上場企業を指します。
資金調達を繰り返して急拡大していくことを目指すユニコーン企業は、上場や事業売却を目指して事業価値を10倍にすることを目的としています。
独占や寡占、成長と利益が重視されるユニコーン企業のなかには、既存の社会のルールを無視し、社会的な責任よりも自社の成長を優先するケースが見受けられました。
そうした、状態に危機感を覚えた人たちが提唱したのが「ゼブラ企業」です。
事業拡大や経済的なリターンではなく、自社が担う社会的な使命や社会に与えたい影響を基に経営判断を行っていくのがゼブラ企業の特徴です。
このように持続的な繁栄や社会との共存を目指すゼブラ企業は、今後さらに注目を集めるかもしれません。