今回は日本の少子化と賃金の関係について紹介します。
可処分所得は減っている
第一生命経済研究所の試算によると、20代独身男性の実質可処分所得は90年から15%程度減少しています。
また、経済協力開発機構(OECD)のデータでは、日本の26~40歳の可処分所得は2.6万ドル(約350万円)です。
これは、アメリカの5万ドルと比べると6割にも達しません。
さらにカナダやドイツ、イギリス、フランス、イタリアよりも低い数字です。
可処分所得が増えない原因は賃金が伸びない割に、社会保険料の負担額が膨らんだ影響が大きいと言われています。
少子化にも影響を与えている
2021年の婚姻数は50万組と戦後最小でした。
1年以内に結婚するための障害として、18~34歳の4割以上が「結婚資金」を挙げています。
婚外子の少ない日本では、結婚の減少が少子化に直結します。
実際、合計特殊出生率は21年には1.30と6年連続で低下しています。
社人研が理想通りに子どもを産めない理由を調査したところ「お金がかかりすぎるから」が30代前半では81%と最多でした。
日本の主な少子化対策は
- 児童手当
- 保育無償化
- 育児休業の促進
など、子育て支援が中心です。
しかし、少子化への対策としては賃上げへの対策が重要だと言えそうです。