副業や兼業について定めた厚生労働省の指針が、7月に改定されます。
現在の厚労省の指針では、
- 労働者の安全
- 業務秘密の保持
- 業務上の競合回避
- 就労先の名誉や信用
の4点のいずれかを妨げる場合、企業は副業を禁止または制限できると定めています。
今回の改定によって、企業には副業についての姿勢や容認する条件などの開示が求められています。
罰則などの強制力はなく、国から企業への要請の位置づけです。
今回の厚労省の指針はすべての企業を対象に、原則副業を認めるように促していると言えます。
政府としては、副業の普及が成長分野への人材移動につながるとみているようです。
企業としては副業を認めると自社の業務がおろそかになることや、
ノウハウ・信用が副業に使われることへの懸念があると思います。
しかし、副業の解禁は企業にもメリットがあります。
副業をする従業員が社内にないスキルやノウハウを身につければ、
自社の成長や新規事業に役立てられる可能性があるためです。
21年にパーソル総合研究所が行った調査では、正社員の副業を全面的に容認する企業は23.7%、条件付きで容認する企業は31.3%でした。
情報開示によって労働者にとっては副業の機会は増えるでしょう。
企業としては、どこまでの副業なら問題ないのかの線引きが重要になってきそうです。