今回はNTTドコモが構想するメタバース事業について解説します。
メタバースとは仮想空間のことを指し、これまではゲームを中心に活用されてきました。
カナダの調査会社エマージェン・リサーチによると、世界のメタバース関連の市場規模は
2028年には2020年の20倍弱に当たる約111兆円まで拡大すると試算しています。
日本はメタバース事業で海外勢に後れを取っていますが、産業用のメタバースでの巻き返しが期待されています。
NTTドコモは既に個人向けのメタバース「XR World」を手がけています。
今回、産業用のメタバース事業に参入することを発表しました。
ドコモが産業用メタバースに注力する背景には、個人向け通信の成長が見込めないことが関係しているようです。
具体的には、自動車など製造業向けに3Dの試作品をメタバース内で確認評価できるツールなどを開発する予定です。
これまでは画面上でしか見られなかった3Dモデルが、より現実に近い状態になると期待されています。
こうした産業用メタバースの実現に必要となるのが、眼鏡型の小型VR端末の開発と、
次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」、6Gの開発です。アイオンは2025年以降、6Gは2030年の商用化を想定しています。
日本が産業用メタバースで世界をリードできるか、NTTドコモの動きが注目されています。