今回は、近年注目を集めている「ジョブ型雇用」について、日立製作所(日立)の事例をご紹介します。日立では、2024年度までにジョブ型雇用の定着を目指しています。現在は、具体的にどのような取り組みを進めているのでしょうか。
メンバーシップ型雇用の良さを活かした独自の制度を構築
日立では、これまでの日本で主流だったメンバーシップ型雇用を活かしつつ、ジョブ型雇用の導入を進めています。
ジョブ型雇用では、仕事に人をあてるため、自分の仕事がなくなった従業員が居場所を失いかねません。従来のメンバーシップ型雇用は、終身雇用を前提としていました。日立では、メンバーシップ型雇用における雇用の安定性をそのままに、自社独自のジョブ型雇用を構築しています。
ジョブ・ディスクリプションの活用も
日立では、ジョブ型雇用への移行にあたって、ジョブ・ディスクリプションを作成途中です。ジョブ・ディスクリプションとは、職務記述書とも呼ばれ、各ポストの業務内容や求めるスキルなどを詳細に定めます。適正な評価や、理想的な人材の採用などに活かせることが特徴です。
1対1のミーティングをはじめとしたコミュニケーションをとりながら、作成を進めています。
ジョブ型雇用の導入が増えている
DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進や新型コロナウイルスの流行、労働力不足の進行などを背景に、ジョブ型雇用の導入を検討している企業は増えています。実際に、経団連は2021年春季労使交渉における企業側の指針内で、ジョブ型雇用の導入を推進しました。
大企業を中心に導入が進んでいるジョブ型雇用ですが、中小企業においても今後浸透することが考えられます。いずれ本格的に導入する可能性も考え、今のうちからジョブ型雇用の事例を確認しておくと良いでしょう。