今回は、住宅ローン返済世帯の負債超過が増加している現状について、詳しく解説します。
負債超過とは、世帯が抱える負債が貯蓄を上回ること。この数年間で、負債超過はどのくらい増えたのか、背景にある要因は何か、見ていきましょう。
2020年の負債超過額は2002年より44%増
日本経済新聞社では、総務省の家計調査をもとに、住宅ローンの返済世帯における「負債超過」の額を算出しました。結果、2020年の負債超過額は746万円。2002年は518万円であり、約20年で258万円(44%増)も増えています。
(参考:日経新聞「住宅ローン世帯「負債超過額」4割増 膨らむ老後リスク」)
この間における貯蓄の増加は約30万円であり、いかに負債だけが増加したかが分かるでしょう。
背景には不動産価格の上昇が
負債超過額が増加した背景には、住宅価格の上昇があります。2020年における住宅ローンの額は1677万円であり、これは2002年と比べて242万円も高い金額です。
ほかにも、金融温和策による住宅ローン金利の低下により、借り入れのハードルが下がったことも影響していると考えられています。
住宅手当など従業員の負担を減らす工夫も
住宅ローンが家計を圧迫する中、従業員の負担を軽減できる制度のひとつが、住宅手当などの福利厚生です。
たとえば、企業が住宅ローンの一部を補助すれば、従業員の将来にわたる不安は和らぐでしょう。人材確保の効果も期待できます。
特に住宅ローンの返済者が多い企業は、ひとつの選択肢として、実施を検討してみてはいかがでしょうか。