今回は、男性の育休利用についてご紹介します。
政府は、5月の国会で「育児・介護休業法改正案」を提出しました。改正案では、男性版産休の導入や、育休の条件拡張のほか、従業員に対する育休取得の意向確認が企業に義務づけられる予定です。
改正法は、早ければ2022年度中に施行されます。男性の育休取得を企業に定着させるための工夫を見ていきましょう。
育休取得時に同僚の負担が重くならないような工夫が必要
積水ハイムでは、「男性社員1か月以上の育休完全取得」を宣言しています。具体的な取り組みとして、「イクメン休業取得計画書」の作成を促進中です。画書をもとに2ヶ月前に上司と面談のうえ、育休中の業務を誰がどのようにカバーするのか決定します。
男性の育休取得を浸透させるためには、同僚に負担がかからないような工夫が必要です。日頃から業務の属人化を防ぐ仕組みづくりなども重要となります。
出産後の夫の育児参加が今後の夫婦関係に影響
出産後の男性の育児参加は、今後の夫婦生活にも影響を及ぼします。2010年に発表した渥美由喜氏の「女性の愛情曲線」では、夫の愛情は出産を機に大きく低下すると明らかになっています。
ただし、夫婦で子育てをした場合は、低下した愛情が回復しやすい傾向です。
【参考】ワークライフ・マネジメント実践術(3)|男女共同参画局
企業はただ休暇取得を勧めれば良いだけではない
企業としては、「改正育児・介護休業法」が施行されたからといって、ただ育児休暇を勧めれば良い訳ではありません。
育児休暇の取得により同僚にしわ寄せが行けば、職場内に休暇をとれる雰囲気は生まれないでしょう。最悪の場合、育休を取得した従業員への嫌がらせが発生するかもしれません。
また、出産後に夫が育児にどう関わるかが、夫婦生活に大きな影響を与えることも念頭に置いておく必要があります。
プライベートの充実は、仕事でのパフォーマンスにも影響します。ぜひ、企業における育児休暇の在り方を検討してみてください。