先月、改正労働施策総合推進法が成立し、ハラスメント対策や女性活躍推進と並ぶ新たな柱として「病気の治療と仕事の両立支援」の制度化が盛り込まれました。高齢化や多様な働き方が進む中、治療と就労の両立は企業にとって重要な課題となっています。
事業主への努力義務の新設
がん、糖尿病、心疾患などの慢性疾患を抱える従業員が、治療と仕事を両立できるような職場環境の整備が、事業主の努力義務として明記されました。支援例は以下の通りです。
- 主治医との情報共有による勤務配慮(通院時間の確保、業務量調整など)
- 時差出勤やテレワーク、短時間勤務等の柔軟な勤務形態の導入
- 制度の社内整備と従業員への周知
- 産業医・保健スタッフとの連携強化
国による指針の整備
厚生労働省が策定する指針に法的根拠が与えられ、企業が講じるべき支援策の方向性や好事例が示されます。
企業への影響と今後の対応
今回の法改正を受け、企業には次の対応が求められます。
- 就業規則や制度の見直し
- 治療と就労の両立支援に関する社内方針の明確化
- 人事労務担当者や管理職への研修実施
- 相談体制・コミュニケーションの充実
まとめ
改正法の詳細は今後、政省令や指針で示される予定です。企業には、これらの動向を注視しながら、制度の趣旨に沿った体制整備を進め、治療と仕事の両立を支える職場づくりが求められています。