近年、不妊治療を受ける方が増加していますが、仕事と治療の日程調整の難しさから、両立に悩む方が少なくありません。このような背景を受け、厚生労働省が「不妊治療と仕事両立支援ガイドブック」を公表しました。本ガイドブックは、不妊治療を受ける従業員が働きやすい環境を整備するためのヒントを提供するものです。
会社が提供できる支援
企業が取り組める支援として、以下の制度が挙げられます。
- 不妊治療でも利用できる休暇制度
- 柔軟な働き方の導入(フレックスタイム制度、時差出勤制度、短時間勤務制度、テレワーク制度、残業の制限など)
- その他の支援策(治療費の補助・貸付制度、人事労務担当者や産業医との相談体制の整備)
助成金の活用方法
両立支援等助成金(不妊治療両立支援コース)では、中小企業が不妊治療に配慮した職場環境の整備を行い、従業員が関連制度を利用した場合、厚生労働省から助成金が支給されます。この助成金を活用することで、企業はより積極的に両立支援環境を整備することが可能になります。
不妊治療連絡カードの活用方法
「不妊治療連絡カード」は、従業員が治療のための配慮事項を会社に伝えるためのツールです。主治医に記入してもらった情報を基に、会社が適切な配慮を行う際に役立てられます。これにより、治療と仕事の両立がスムーズに進むことが期待されます。
職場における配慮とプライバシー保護の重要性
不妊治療を受けていることを職場でオープンにしていない方は約半数に上ります。その理由としては、「気遣いをしてほしくない」「知られたくない」といった声が挙げられています。このような問題に対応するため、会社は従業員のプライバシーを十分に保護し、本人の意思を尊重する姿勢が求められます。
まとめ
不妊治療と仕事の両立支援は、企業が取り組むべき重要な課題の一つです。柔軟な制度の導入やプライバシー保護に配慮した環境整備を進めることで、従業員が安心して働ける職場づくりを目指しましょう。厚労省のガイドブックや助成金制度を積極的に活用し、企業としての取り組みを強化していくことが期待されます。