今回は、厚生労働省が公表した「令和5年度雇用均等基本調査」の結果についてお話しいたします。
特に、男性の育児休業取得率がどのように変化しているのか、その要因と今後の動向に焦点を当てています。
法改正により男性の育休取得率が過去最高を更新!
昨年度の男性の育児休業取得率(産後パパ育休を含む)は30.1%と、前年の令和3年度よりも13ポイント増加し、過去最高を記録しました。(女性は、84.1% 令和3年度より3.9ポイント増)
この大幅な上昇は、令和4年に施行された育児介護休業法の改正によるものです。改正により、企業は従業員に対して育児休業の取得意向を確認することが義務化され、中小企業を中心に制度の周知が進んだことが要因として挙げられています。
育休期間も長期化傾向に
育児休業の取得期間を見てみると、「1か月~3か月未満」が最も多く、全体の28%を占めています。(令和3年度24.5%)
これに続いて「5日~2週間未満」が22.0%、(令和3年度26.5%)
「2週間~1か月未満」が20.4%(令和3年度13.2%)
となっており、2週間以上の育児休業を取得する男性が増えてきています。
事業所の規模別では「従業員500人以上」の取得率が34.2%で最も多く、100人以上の事業所では、30%を超えているのに対し、「5~26人」の事業所は26.2%でした。
今後の展望
政府は、男性の育児休業取得率を令和7(2025)年までに50%に上げることを目標に掲げています。
この目標達成に向けて、来年4月からさらに育児介護休業法の法改正が以下のとおり行われます。
- 従業員300人超1,000人以下の企業にも取得率の公表が義務化
- 従業員100人超の企業に対して、行動計画策定時に育児休業の取得状況等に係る状況把握および数値目標の設定
このように、男性の育児参加を促進する動きは、今後も加速していくでしょう。
まとめ
企業にとっては、これからも法的対応が求められる状況ですが、従業員の育児休業取得を促進することで、職場の働きやすさや定着率の向上にもつながります。
今後も、育児休業の取り組みを進め、職場環境の改善に努めていきましょう。