役所で窓口対応などをしてくれる職員は、非正規雇用の公務員である場合があります。
今回は、公共サービスを支えている彼らの待遇面の課題について解説いたします。
この問題は民間企業にも通ずる課題であるため、ぜひ参考にしてください。
非正規公務員の待遇の厳しい現実
多くの自治体の窓口で働くのは、非正規の女性職員です。
2020年4月から、臨時・非常勤職員のほとんどが会計年度任用職員となり、期末手当(ボーナス)や退職金の対象となりました。
※会計年度任用職員とは、地方自治体で働く臨時・非常勤職員のうち、一定の期間ごとに任用される職員のことです。
しかし、公務非正規女性全国ネットワーク(はむねっと)の調査によると、回答者1,252人の77%が年収250万円未満、半分以上が200万円未満であることが分かっています。
これは、非正規公務員の処遇改善が進んでいるとはいえ、依然として待遇面で厳しい現実があることを示しています。
多くの非正規公務員が低賃金で働いている現状は、早急に改善されるべき事案です。
多くの非正規公務員が待遇に悩んでいる
非正規公務員が新たにボーナスや退職金の対象となったものの、時間給の引き下げなどで、人件費を抑えようとする動きがあることも事実です。
はむねっとの調査では、実に非正規公務員の94%が将来に不安を抱えていることが分かっています。
また、窓口対応で多くの住民と関わっているのに、非正規公務員はワクチン接種を後回しにされるなど、待遇格差が多方面に見られます。
このような状況は、非正規公務員の労働意欲や士気に影響を与えるだけでなく、サービスの質にも悪影響を及ぼす可能性があります。
民間企業でも非正規雇用の待遇格差に注意
今回は公務員の例を取り上げましたが、民間企業においても非正規雇用従業員への待遇格差には注意が必要です。
不合理な待遇格差は、同一労働同一賃金の考え方に反する可能性があります。
このような待遇格差は、従業員のモチベーション低下や離職にもつながるでしょう。
民間企業においても、非正規雇用者に対する適切な待遇改善は重要です。
特に、労働条件や福利厚生の見直しを行い、公正な労働環境を整備することが求められます。
これにより、従業員の満足度を高め、企業全体のパフォーマンス向上にもつながるでしょう。
まとめ
非正規公務員の待遇面の課題は、民間企業にも共通する重要なテーマです。公務員だけでなく、民間企業でも非正規雇用者の待遇改善に取り組むことが、待遇差のない持続可能な労働環境の実現に繋がっていくでしょう。