近年、多様な働き方が求められる中、企業の活性化に繋がる制度として注目されているのが「再入社制度」です。
今回は、社員と企業双方に対するメリットとリスクについて、ご説明いたします。
社員の挑戦を後押し、組織の活性化にも繋がる
再入社制度とは、以前に退職した社員が再び同じ企業に戻ることを許可する制度です。
再入社制度を導入することで、社員に「転職という新たな挑戦をしても大丈夫」という安心感を与えることができます。
この安心感が心理的な余裕を生み、社員の仕事に対する意欲が高まる効果も期待できます。
また、一度退職して他社で経験を積んだ後、再び自社に戻ることで新たなスキルや知識を持ち帰ることができるため、社員の成長をサポートする効果があるとともに、組織の活性化にも繋がります。
企業の競争力強化
再入社制度のもう一つの大きなメリットは、社員が外部の知見を持ち帰ってくれることです。
社員が一度外部の企業を経験することで、他業界の知識や、他社との比較から得た「自社の強みや弱み」を自社に持ち帰ることができます。
これにより、企業は新たな視点で事業運営を行うことができ、企業の競争力強化が期待できます。
採用コストの削減にも
通常、人材紹介会社を使って中途社員を採用すると、紹介手数料などで100万円近く出費がかかります。
また、求職者に自社を知ってもらうために転職・求人サイトを使用する場合は、広告掲掲載料を払わざるをえません。
その点、再入社社員は既存社員からの推薦や紹介で出戻ってくる場合が多いので、採用コストをほぼかけずに採用を行うことができます。
さらに、再入社社員は既に自社の社風や業務内容を理解しているため、即戦力となってくれるという大きなメリットがあります。
たとえば、通常の採用面接で応募者が「自社の社風に合うか」を短時間で見抜くのはとても難しいですが、再入社社員であればこの点がクリアされています。
そのため、採用リスクを低減する効果もあります。
リスクも理解したうえで導入を検討しよう
再入社制度には多くのメリットがありますが、リスクも考慮する必要があります。
再入社社員を雇用することで、「辞めてもまた戻ってこられる」という認識が社内に広まると、安易に転職を検討する社員が出てくる可能性は否めません。
そのため、再入社制度を導入する際には、特定のルールを設定することが重要です。
例えば、再入社までの一定期間を設ける、再入社の際に特定の条件を満たすことを求めるなど、制度の乱用を防ぐルールが必要です。
また、過去の仕事ぶりや退職理由によっては、再入社社員を良く思わない既存社員もいるでしょう。
そのため、採用後の人間関係の細かなフォローも必要です。
これらの対策により、再入社制度のメリットを最大限に活かしつつ、リスクを最小限に抑えることができます。
まとめ
再入社制度は、社員の挑戦を応援し、企業の競争力強化にも繋がる制度です。
再入社制度を導入する際には、メリットとリスクをしっかりと理解し、適切な運用を心掛けていきましょう。