今回は「介護離職」についての情報をお届けいたします。
介護離職による現状
最近、東京商工リサーチによる興味深い調査結果が出ました。2023年8月までの1年間で、企業の約10.1%が従業員の介護離職を経験していることがわかりました。さらに、介護離職の大多数は正社員であるというデータも出ており、これは企業にとっても従業員にとっても大きな問題です。
特に50代以降の従業員にとっては、親の介護を担う可能性が高まり、介護離職問題は避けて通れない課題です。
これは、働き盛りの中堅やそれ以上の年代の従業員が介護を理由に離職するリスクが高いことを意味します。
制度利用の現状
まず、重要なのは従業員が介護離職をせずに済むよう、適切な支援を提供することです。
この調査によると、介護離職した従業員のうち54.5%が介護休業や介護休暇を利用していないことが判明しました。これは、介護休業や介護休暇の存在が周知されていないか、または利用しにくい環境があることを示唆しています。
対策
従業員が仕事と介護を両立できるよう支援することが、企業にとってもメリットになります。仕事と介護のバランスを取ることができれば、従業員の満足度が高まり、離職率の低下や人材の確保につながります。
そのためには、以下3つの対策が考えられます。
1.介護休業や休暇制度に関する情報を従業員に積極的に提供する。
2.制度利用を促進するための環境を整える。(例えば相談窓口の設置や研修の実施など)
3.従業員同士のサポート体制を構築することで、介護が必要な状況にある人が1人で悩まないようにする。
これらを実施していきましょう。
育児・介護休業法の改正予定
2024年の通常国会では、育児・介護休業方法の改正が予定されています。従業員への介護情報提供や制度利用に関する意向確認の義務化、さらには休業制度の利用促進のための研修や相談窓口の設置が検討されています。
まとめ
介護離職を防ぐための取り組みは、従業員にとっても、企業にとっても大きな利益をもたらします。育児・介護休業法の改正が予定されている中、企業はこの機会に従業員支援の体制を見直し、より良い職場環境の実現を目指していきましょう。