今回は、残業や休日出勤に関する「36協定」について、わかりやすく解説いたします。
残業や休日出勤を正しく管理するためには?
労働基準法では、労働時間は原則として、1日8時間・週40時間以内とされています。これを「法定労働時間」といいます。法定労働時間を超えて従業員に残業や休日出勤をさせる場合には、会社と従業員が「36協定」を締結する必要があります。この協定は、従業員の健康や生活の質を守りながら、柔軟な働き方を可能にするためのものです。
36協定とは?
36協定は、正式には「時間外及び休日労働に関する協定」と言います。36協定では、「時間外労働を行う業務の種類」や「1日、1か月、1年当たりの時間外労働の上限」などを決めなければなりません。この協定を結び、所轄の労働基準監督署へ届け出ることで、初めて従業員の残業や休日出勤が法的に認められます。
届け出なければどうなる?
協定を結んでも、届け出なければその効力はありません。例えば、4月1日から協定期間が始まるとしても、届出が4月17日になってしまった場合、16日までの残業は法令違反となります。この点、十分注意が必要です。
無制限に残業できるわけではない
36協定を結んだからと言って、従業員に無制限に残業させることができるわけではありません。協定には残業の限度時間が定められており、それを超える残業は許されていません。また、この協定は1年ごとに更新が必要です。
周知の義務
さらに、36協定については、従業員に対する周知が義務付けられています。これは、社内掲示やコピーの配布などで行います。周知が不十分な場合には、労働基準監督署による調査の時に指導が行われるケースもあるため、普段から適切な周知を心がけましょう。
まとめ
36協定は、従業員の健康を守りながら、企業が柔軟に業務を遂行していくために重要な制度です。36協定を適切に締結して届出し、従業員にきちんと周知しましょう。