今回は、女性従業員の産前産後休業の取り扱いについてお伝えいたします。
以前は結婚や出産を理由に退職する女性従業員が多かったのですが、近年は産休を取って引き続き育児をしながら仕事を続けるケースが増えています。
会社としては、女性従業員に長期に渡って休業されるので、それならば退職してほしいと思われるかもしれませんが、妊娠、産休取得、育児休業の申し出などを理由にして解雇することはできません。
産前休業は、出産予定日の6週間前から可能であり、この期間の休業を女性従業員が請求した場合、会社は拒否することはできません。ただ、本人から休業の申し出がなければ、会社は女性従業員を働かせてもかまいません。
また、出産した従業員は産後に8週間の休業を取ることが必須とされているため、この期間中に仕事をすることはできません。その期間は、とくに女性従業員からの休業の請求がなくても、出産日の翌日から自動的に産後休業となります。
健康保険に加入している産休中の女性従業員は、健康保険から出産手当金を受け取ることができます。これに加えて、出産育児一時金として50万円が支給されるため、経済的な不安を軽減することができます。なお、妊娠4ヶ月以上であれば、流産の場合でも出産育児一時金は支給されます。
また、産後休業が終了し、育児休業に入ると、社会保険料の支払いが本人も会社も免除されることを覚えておきましょう。
経営者は、産前産後休業や育児休業を取得する従業員に対して、十分に理解しサポートすることが重要です。そうすることで従業員のモチベーションが維持され、組織全体の生産性向上にも繋がります。制度を正しく理解し、従業員が安心して仕事と家庭の両立ができる職場環境を作っていきましょう。