両親の介護を理由として離職する人が増加しています。
しかし、会社側は社員が辞めるまで介護に悩んでいたことに気づかないというケースも多いようです。
このように、職場に対して家族を介護していることを知らせず、悩みを抱え込んでしまう状態のことを「隠れ介護」といいます。
隠れ介護が起こる理由
介護の悩みを職場に相談できない最大の理由は、心理的な要因だと言われています。
介護がはじまる40~50代は、管理職に就いている人も多い世代です。
- 職務を奪われるのでは?
- 賃金に響く
- 会社に迷惑をかけられない
- 重要なポストに就いているため長期間休みづらい
といった不安から、会社への説明に及び腰になるといいます。
また、介護休業や介護休暇の制度を認識していない人も多いようです。
隠れ介護の先に待ち受けるもの
隠れ介護の状態を続けている方の多くは、家族の介護を優先とし自分自身を犠牲にして暮らしている方も多くいらっしゃいます。
介護の悩みを相談できずにストレスを貯め続け、うつ状態になる方も少なくないようです。
厚生労働省が2005年に行った調査によると、自宅で介護をしている人の4人に1人が「介護うつ」という結果が出ています。
隠れ介護によって突然の離職を防ぐためには、悩みを打ち明けられる職場環境の整備が欠かせないと言えそうです。