日本型のメンバーシップ型雇用の抜本的な見直しが迫られています。
そのなかで新たな雇用制度として導入が普及しているのが欧米流の「ジョブ型雇用」です。
今回は、ジョブ型雇用が注目され導入を進める企業が増えている理由について解説します。
DX化への対応
1つ目の理由はデジタルトランスフォーメーション(DX)化の推進のためです。
とりわけデジタル関連やエレクトロニクス関連産業では、事業改変をスピーディーに進めなければ
競争優位を確立できず生き残れない時代が訪れています。
たとえばAI人材など競争優位性の源である優秀な人材は、年功的な処遇で獲得することは難しいといえます。
こうした人材の獲得には、職務内容をあらかじめ定めて採用する「ジョブ型雇用」がフィットすると考えられています。
テレワークの増加
コロナ禍にともなうテレワークの増加も、ジョブ型雇用導入の必要性を高めています。
メンバーシップ型雇用の場合、社員1人ひとりの職務範囲や職責があいまいなため、集団的に集まって仕事を進めることに適しています。
しかし、こうした1人ひとりの役割があいまいな状態だと、1人で業務を行うテレワークはなじみにくいという課題を抱えていました。
ジョブ型雇用であれば、職務範囲や役割が明確化されるためテレワークでも自律的に働きやすいといえます。
新卒一括採用の廃止や終身雇用の限界を背景として注目を集めることになった「ジョブ型雇用」。
DX化やテレワークへの対応として、ジョブ型雇用の導入が加速しています。