2024年4月から、医師の時間外労働を規制する制度改革がスタートします。
今回は制度の概要や背景について解説します。
概要と導入の背景
2024年4月から、医師の残業上限を年960時間とする規制が始まります。
2019年の働き方改革関連法によって一般則では、時間外労働の上限は原則年360時間、例外として720時間まで認められています。
しかし、医師については2024年4月まで5年間の猶予が与えられていました。
医師は勤務体系が複雑で業務も多岐にわたるため、他の業種よりも労働時間が長くなりやすいといえます。
長時間労働も常態化しやすく、休日も少ない医師が多いといいます。
こうした現状を踏まえた上で、今回の医師の時間外労働上限規制が策定されています。
具体的な労働時間の上限
具体的には、3つの水準に分けられて、時間外労働の上限が設定されます。
A水準
対象:診療従事勤務医
時間外労働上限:年960時間以下/月100時間未満(例外あり)
B水準
対象:救急医療など緊急性の高い医療を提供する医療機関
時間外労働上限:年1,860時間以下/月100時間未満(例外あり)
C水準
臨床研修医、専攻医など集中的に高度な技能を習得する必要がある者など
時間外労働上限:年1,860時間以下/月100時間未満(例外あり)