日経新聞の報道によると、政府は組織に属さずフリーランスとして働く人を、下請法の保護対象に加える調整に入りました。
2023年の通常国会への関連法案の提出を目指すといいます。
下請法とは、発注者が優越的な立場を利用して不利な取引を迫らないように取り締まる法律です。
禁止行為が明らかになると、公正取引委員会が発注者に是正するように勧告や指導ができます。
現行法では発注者側が資本金1000万円超の企業であることが要件となっています。
資本金1000万円以下の小規模な事業者は取り締まり対象になりません。
こうした法を改正し、下請けが個人事業主の場合は「資本金1000万円以下」の発注者も対象に加える方針です。
また、フリーランスの定義を明示することも検討するといいます。
下請法改正に動き出した背景
内閣官房によると2020年時点で、462万人が国内でフリーランスとして働いています。
連合が2021年10月にインターネットで調査したところ、フリーランスの4割近くが過去1年で「トラブルを経験した」と回答しています。
上位の理由には「報酬の支払い遅延」「一方的な仕事内容の変更」「不当に低い報酬額の決定」が挙がっています。
また、フリーランスは労働法制で保護できないのも問題でした。
こうした背景があり下請法によるフリーランス保護に動き出したと考えられます。
法改正に向けての今後の動きが注目されています。