7月29日、技能実習制度の見直しを議論するという考えが、古川禎久法務大臣によって示されました。
年内にも有識者会議が設置される予定です。
技能実習制度とは?
技能実習制度は、途上国の経済発展を担う「人づくり」に寄与するのを目的に1993年に創設されました。
約80の職種で、最長5年間働けます。
国別ではベトナム出身者が最も多く、2021年末時点で全体の58%を占めています。
技能実習の問題点は?
技能実習制度には、次のような問題点が指摘されています。
- 国際貢献の目的と人手不足を補う労働力として扱っている実態が乖離している
- 不当に高額な借金を背負って来日する例がある
- 原則、転職ができず不当な扱いを受けても相談・交渉ができない
技能実習は労働力需要の調整手段として行われてはならない、と定められています。
しかし、実際には人手不足が深刻な建設、製造、農業などで受け入れが拡大しました。
また、技能実習は原則3年間転職できない仕組みです。
人権侵害や賃金への不満があっても正規の手続きで別の職場に移るのは難しいといえます。
実習生が姿を消す例も後を絶ちません。
2021年には、7167人もの実習生が失踪しています。
アメリカでも問題が取り上げられるなど、海外からも批判が出ています。
技能実習を人権侵害が起こらない制度へ変えることができるか、注目されています。