今回は4月に改正された厚生年金の「在職定時改正」と「在職老齢年金」について解説します。
どちらも60代以上が働くモチベーションを向上させる改正だと言われています。
1.在職定時改正の新設
1つ目は、在職定時改正の新設です。
厚生年金に加入する65歳以上70歳未満で、働きながら年金を受給している人は、
毎年年金が増える仕組みに変更されました。
改正前の仕組みでは、退職時か70歳になったときにまとめての増額でした。
これでは、働いて年金を増やすという実感が得にくいと言えます。
そこで、今回の改正によって毎年改定する仕組みに変更されました。
たとえば月20万円で働く人は、毎年約1万3千円ずつ年金支給額が増えていきます。
2.在職老齢年金の改正
2つ目は在職老齢年金の改正です。
在職老齢年金とは、60歳以降に在職しながら受ける老齢厚生年金のことを指します。
これまでは、28万円以上を稼ぐと年金が減る仕組みでした。
4月の改正によって、基準額が47万円にまで緩和されています。
人生100年時代に突入し、シニア世代が働き続けることは徐々に当たり前になってきました。
シニア世代の労働意欲を向上させる施策が注目されています。