新型コロナウイルスの影響により、労働者を取り巻く環境は日々変化しています。中小企業事業所様においても、労働者の実態を掴むことに苦労しているのではないでしょうか。
2021年春の労使交渉では、人件費削減などの、中小企業事業所にも活かせる動きがありました。詳細までご紹介するため、コロナ禍における企業経営の参考となれば幸いです。
(参考:経団連タイムス「2021年春季労使交渉」
業績が回復傾向の企業では賃金アップの要求
2021年2月18日に、主要製造業における労働組合の要求が出揃いました。市場全体が停滞している中、製造業では、回復の兆しが見られる企業もあります。
日立製作所とパナソニックでは、月2,000円分の基本給アップを要求。両社とも業績が回復傾向にあり、3月期決算において利益予想を上方修正しています。
日立の経営側はジョブ型雇用への転換を求める
日立では、企業側からジョブ型雇用への転換を求める声が強くなっています。ジョブ型雇用への転換は、これまで何度も議論されてきたテーマ。生産性向上や新たな商品・サービスの開発を促進し、長期的な企業成長に繋げることが狙いです。
これに対し労働組合側は、従業員が仕事を失う懸念などから、本格的な導入には慎重な姿勢を見せています。
人件費削減のために出向や副業解禁などの動きも!
人件費を削りたい企業では、新しい動きも増えています。
日本航空では、グループ外出向や一時派遣を実施中。ほかにも、給与削減を目的とし、他業種での副業を解禁する企業も増加傾向です。
中小企業事業所の皆さまにおいても、人件費の圧迫等に頭を悩ませているケースがあるかと思います。在籍型出向や副業解禁は、中小企業事業所においても有効な対策です。特に、在籍型出向は国でも支援しており、賃金や経費が一部助成されます。