今回は、建設・工事業の倒産が増加している現状について、詳しく解説します。
どのくらいの企業が倒産しているのか、どのような背景があるのか、具体的に見ていきましょう。
【出典】「新型コロナウイルス関連倒産」動向調査(8月26日(木)16時現在判明分)|帝国データバンク
「建設・工事業」の倒産は197件で全業種中2位
帝国データバンクが毎月実施している「新型コロナウイルス関連倒産」動向調査によると、8月26日時点での新型コロナ関連倒産は1933件。
そのうち、「建設・工事業」は197件にのぼり、1位の「飲食店」(321件)に次いで2位となっています。3位のホテル・旅館は107件であり、倍近くの差がある状況です。
倒産する企業は中小企業や零細企業が多い
倒産している「建設・工事業」の企業は、多くが中小企業や零細企業です。これには、受注環境の変化が影響しています。
コロナ禍で、休業や時短営業を行う飲食店やホテル・旅館は格段に増えました。規模が小さい「建設・工事業」の企業は、近隣にあるこのような企業からの受注が中心であったため、受注数が激減してしまったのです。
ウッドショックも追い打ちに
最近は、アメリカにおける新築住宅需要増を背景に、「ウッドショック」と呼ばれる木材の高騰も発生しています。
資金面に課題がある中小企業や零細企業は、今後さらに厳しい状況に立たされる可能性があるのです。動向に注目しながら、慎重に事業を展開する必要があります。